神技三船十段[完全版] 柔道の神髄 [DVD]詳細
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神技三船十段[完全版] 柔道の神髄 [DVD]口コミ
159センチ55キロの三船久蔵は岩手県久慈市出身で、柔道の神様と言われる。本DVD収録の約1時間の“柔道の真髄”は、1955年に制作されたということなので、1883年生まれの三船は当時72歳とういことになろうか。内容は、柔道の基本、型、投げ技、関節技、押さえ込みなどが網羅されており、その殆どを三船十段が、現役の柔道家相手に見せている。殆ど休みなしに、裏投げなどの力技から、合気道のようにタイミングで投げる技まで次々に繰り出すスタミナは驚異的。柔道技で興味深いのは:山嵐(4分)、岩石落とし(5分30秒)、玉車(8分50)、大車(40分)、袖車(44分、吉田秀彦がホイスグレーシーに使った技)。17分からの投裏の型は、相手がどういう技をかけてくるかを読んで、その力を利用するもので、一部は、ルチャリブレのプロレスを見ているような華麗なものもある。中盤の乱取りでは、現役の弟子達と次々に3本とるまで戦う(三船本人は一本も取られない)。中でも二人の外国人の有段者との乱取りでは、26分には34貫(127.5キロ)の相手を問題にせず、29分では194センチの人物を肩車で投げ捨てる無尽蔵のスタミナをみせる。36分では、この部分だけは本人の肉声で、柔道の哲学を語る。球体は、重心がいつも真ん中にあるので、体さばきも球のようにするという自然流は、達人の域(実際に、相手の攻撃を受け流しながら解説)。さらには、固め技や関節技の脱出方法も解説、特に47分30秒の、十字固めを弟子に決めさせておいて、いとも簡単に脱出してしまう三船には唖然としてしまう。圧巻は、最後の7分ほどの一本を取るまでの三船対弟子たちの戦い。すべて6-8段の10人ほどの有段者が、休みなしにかかっていくのだが、相手の動きは、柳のように受け流し、時には、肩車などの豪快な技で、1分以内に全員から一本をとってしまう。闘う相手の数と時間を考えると、驚異的なスタミナと技術で、それが真剣勝負であるかどうかなどは、視聴者にとっては問題ではなくなってしまう。