風立ちぬ [Blu-ray]

風立ちぬ [Blu-ray]詳細

風立ちぬ [Blu-ray]

#78

ジブリがいっぱいCOLLECTION
宮崎 駿 監督作品
『風立ちぬ』

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かつて、日本で戦争があった。

大正から昭和へ、1920年代の日本は、
不景気と貧乏、病気、そして大震災と、
まことに生きるのに辛い時代だった。

そして、日本は戦争へ突入していった。
当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?

イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、
後に神話と化した零戦の誕生、
薄幸の少女菜穂子との出会いと別れ。

この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く─。

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【商品仕様詳細】

<仕様>
BD50/1枚/ピクチャーディスク/MPEG-4AVC/MGVC/複製不能

<画面サイズ>
16:9ワイドスクリーン 1920×1080 FULL HD

<音声>
日本語(2.0chモノラル/リニアPCM)
日本語(1.0chモノラル/DTS-HDマスターオーディオTM(ロスレス))
英語、フランス語、ロシア語、韓国語、広東語、北京語(1.0chモノラル/ドルビーデジタル)

<字幕>
日本語、英語、フランス語、韓国語、中国語(繁体字・広東語)、中国語(繁体字・北京語)

<映像特典>
●絵コンテ(本編映像とのピクチャー・イン・ピクチャー)
●アフレコ台本
●予告編集
●完成報告会見
●ひこうき雲 ミュージッククリップ

★特殊パッケージ仕様

<同時発売>
『風立ちぬ (DVD)』

※商品情報は変更になる場合があります。

風立ちぬ [Blu-ray]口コミ

CGに頼らない作品は、やはり良い。手書きの暖かみに勝るもの無し。

改めてみてやはり好きな作品。細かい描写が好きです。

堀越二郎のことも里見菜穂子のことも全く好きになれない。
2人とも人間らしくないというか、心があるかのように見える機械仕掛けの人形に見えてしまう。
だけどこの作品自体には何か惹かれるものがある。この2人が不気味だからかもしれない。

純粋無垢さと残酷さは表裏一体で至極個人的な事と国家事業が隣り合わせにある過酷さを痛感させられる作品です。全体として大正から昭和の上流階級を描いた浮世離れした階層の美談としては片付けるにはいかない作品であると思った。ただただ美しく描かれているがサイロ・エフェクトの罠に陥っておりそれは社会的背景や時代的制約を考えると仕方なしにあるにせよ…。善悪の彼岸とも言えるべき人生を背負ったイノベーターの生涯でもある。余談ですが、タロットでは風は「剣」そのもので扱いが難しいネガティブなものが多く、知識や理性や社交問題や剣関連そのものを意味して図像学的に十牛図的に見ても興味深い。湧き出る水(聖杯)のイメージがせめての救いか。金貨(土)のエレメントが弱いと浮足立ちがちになると思った。それにしてもオスカーワイルドの映画『Wilde』然とした詩情あふれた映画で賛否両論ありそう。 エンジニアや士業や抽象的な物事を扱うヒトが観れば一味違うのかも。

素晴らしい映画です。
宮﨑駿のすべてがこの映画に詰まっています。
主人公の二郎は二郎であると同時に、宮﨑駿の父であり、宮﨑駿自身でもある。美しい飛行機を造ることを夢見て生きてきた二郎。そして飛行機の部品を製造していた宮﨑駿の父、その父の影響で飛行機好きになった宮﨑駿。それぞれにとって飛行機は切っても切り離せないものでした。でも同時に飛行機は悲しいことに戦争の道具でもあった。だから飛行機というのはそれぞれにとって美しくも呪われた夢であったのです。そういった葛藤がこの映画に反映されているように感じました。
同時に、たった一つの技術が国を滅ぼしてしまう。進歩する技術を人間だけが扱うことが出来るわけだから、扱い方を間違ってはいけない。この映画は決して戦争を肯定する映画ではないと感じました。
時代は昭和初期、関東大震災に第二次世界大戦。人々は明日生きるのさえ大変な時代。それは今も同じ、息苦しい世の中です。それでも生きなければなりません。風の吹く限り、力を尽くして。
ファンタジーという宮﨑駿の武器が封印された中で創り出された珠玉の傑作です。

ブルーレイ全体のデザインがよい。インテリアとして置いておいても問題ない。

賛否両論

全ての作品に対してこれは付き物の宿命である。
この映画とて例外ではなく、むしろ一時は国論を二分するかのような勢いすらあった映画であった。

私はこの映画を昨年の夏、映画館で鑑賞した。
もうそれから一年が経過しようとしている。
それまでに実に多くの人がこの映画について語り、ジブリについて語り、宮崎駿を語ったことだろう。
ファンを自負する人なら尚の事である。私もその一人だ。

公開当時、時の政府は中国や韓国、ロシアとの領土問題で揺れていた。(これは今も尚現在進行形の切実とした政治問題の一つである。状況はあまり変わっていないようにすら見受ける)
時を同じくして与党の自民党、安倍政権は「憲法改正」の是非について語気を強め、改正の姿勢を強く打ち出していた時期でもあった。

ジブリも「映画」以外の所で慌ただしくなることになる。

小冊子「熱風」問題。のそれである。

右翼的思想と左翼的思想がこれは見事に正面衝突をした出来事であったのは記憶に新しい。
ここではその問題についての言及は避けたい。それは私が語るにはあまりにもお粗末な知識しか持ち合わせていない人間だからだ。
語るべきではない。歴史認識の問題然り、領土問題然り。ただ鈴木敏夫プロデューサーが初めてこの作品の絵コンテを観た時に、神妙な面持ちで語った一言が私は忘れられない。(そのシーンはジブリを題材にしたドキュメント映画で確認出来る)

「宮さんこれ凄い反戦色の強い映画ですねぇ、、」

私はこの「風立ちぬ」という映画がとても好きだ。

なぜ好きなのか?どこがどう良いのか?

それを言葉に還元して皆様にご説明することは難しい。言葉にならない。上手くなってくれない。
全ての事象を言葉によって切り取り、表現をしてみせたいという強い欲求はある。が、残念ながら私にはそんな芸当は出来そうにもない。

好き嫌い、感動した、しなかった。駄作だ!いやこれは最高傑作だ!etc.

公開当初からこの一連の事柄についてどう総括し評価を定めるべきか大変に思索を深め、耽っては、その都度挫折した。

きっとこれからも僕は折に触れこの映画の事を想い、考え続けるだろう。

私が下せるこの映画の商品のレビューは☆3
(個人的には☆5で評価したい気持ちは強くある)

が、おそらく今この瞬間この時代を正に生きる人々にはこの映画の評価を定めることは無理だと私は思う。
どうあがいても無理なのだ。

「風立ちぬ、いざ生きめやも」

堀辰雄の小説「風立ちぬ」の中の一節の詩である。

文学的な表現で、現代語に慣れている今の人間にはおそらく一読しただけでは読解することはまず不可能だろう。
なんとなくのニュアンスをなんとか掴める程度がやっとのことだと思う。ネットかなにかに頼れば直ぐにそれらしい答えに辿り着けるだろうが、それはあまりにも情けが無い。人生をかけて吟味して各々の表現に落とし込めて欲しい。

「この映画の評価は時代が決める。」

10年、20年、30年後の後世の人達によってこの映画の評価は定まってくるのではないかと私は思っている。
(きっと「コクリコ坂から」を撮った宮崎吾朗監督作品の評価も改まって来るに違いない。今でも公開当時とは随分と違った評価、考察が映画ファン、ジブリファンからなされているのが興味深かった)

「時代」という尺度が待ち遠しい。

どうか興味を持った人は映画を観て欲しい。

感想や受け取り方は人それぞれで構わない。

そもそも私はこの映画の観方は一つや二つだけでは無いと思っている。
表面的には二郎と奈穂子のラブストーリーであり、深層部では全く異なるいびつな人間模様を描いた狂気の世界の映画にも映るかもしれない。し、それだけでは無い様な気がしてならない。

宮崎駿監督が死力を尽くして描いたであろう映画「風立ちぬ」

是非、未だ見ぬあなたにも観て欲しい。

いつの日か今はまだ生まれては来ていない君がこの映画に出逢ってくれたら、その時は君の感想が僕はとても楽しみだ。
でも、まだ僕が生きていたらの話だけどね。笑

僕の長いレビューを読んでくれてありがとう。

堀越二郎と堀辰雄
そして、宮崎駿に敬意を込めて。

流石の駿さん、吾朗さんも頑張ってほしいものです。