マルサの女2<Blu-ray>詳細
#84
伊丹十三監督全10作品、Blu-rayでよみがえる。
あの板倉亮子がマルサカットの寝癖頭を振り立てて帰ってきた!
狙うは日本最強の地上げ集団鬼沢一家。マルサ危し!
【スタッフ&キャスト】
監督・脚本:伊丹十三/撮影:前田米造/音楽:本多俊之
出演:宮本信子/三國連太郎/津川雅彦/丹波哲郎/大地康雄/桜金造
【商品仕様】カラー/片面1層/スタンダードサイズ
<音声>ステレオ リニアPCM
<字幕>日本語字幕
■映像特典■特報2種、劇場予告1種
【ストーリー】
地上げ屋の脱税を調べていた板倉亮子。
だが、その裏にはヤクザ、宗教法人、銀行、さらには政治家といった大きな力が働いていた。
彼らは税金のかからない宗教法人を隠れ蓑にしていたのだ。
亮子の地道な潜入捜査により、ついに脱税の確信を掴んだマルサは天の道教団に乗り込み、証拠を押収するが…。
前作により“マルサ”という言葉を一般に普及させた伊丹監督が続いて放ったシリーズ第2弾。
※ジャケットデザイン、仕様、特典等は予定です。変更になる場合がございますので、ご了承ください。
(C)1988 伊丹プロダクション 発売・販売元:東宝
マルサの女2<Blu-ray>口コミ
1987年にヒットさせた「マルサの女」は序章に過ぎず、本当に撮りたかった本命テーマが翌88年公開の第二弾「マルサの女2」だったと伊丹十三監督自身が語っており、なるほど社会構造の最も深い闇が描かれている。
政治家・商社・銀行・ゼネコン等の綺麗な表世界と、新興教団・地上げ屋・暴力団の汚れた裏社会が結託してバブルを煽った実態を、脱税を追うマルサ(国税庁査察部)を通して白日の元に晒した勇気ある傑作だ。
しかも市民との直接交渉で矢面に立つ裏社会の方が“トカゲの尻尾”であり、それらの実態に関して知らぬ存ぜぬ顔の表社会の方が真の巨悪とするメッセージはかなり強烈だ。
無税扱いの宗教法人を隠れ蓑に、地上げと脱税とマネーロンダリングによる裏金作りに奔走する金の亡者を三國連太郎が熱演している。
F・コッポラ監督がバチカンと産業界の癒着スキャンダルを描いた「ゴッドファーザーⅢ」が90年なので、本作のテーマ設定はまさに先駆的。伊丹監督でなければ実現しなかったろうし、表の大企業を向こうに回して制作・配給を許可した東宝の英断だろう。
途中、記事化を材料に地上げ屋と立ち退き料を交渉する写真週刊誌カメラマンや、不動産売値の吊り上げを画策する大学教授等も描かれ、至るところに毒が効いている。
本作は第一作よりエンターテイメント性が強く大味な印象を受け、宮本信子の行動も内定活動と言うよりもスパイ映画の様だ。それでも第一作でのブティックホテル経営の山崎努が語る「脱税者の言い分」に当たる事情は本作でもしっかり描かれていて抜かりはない。
国民に奉仕するには何かと金の掛かる政治家、散財する教祖妻を持つ教団代表の夫、借金の肩に娘を差し出す父親、小遣い銭で名義貸しする僧侶、都市再開発での必要悪を自認する地上げ屋、宗教法人を所管する都道府県や文科省の人手不足、社会規範より組織内の忠義を重んじる便利な男達と言ったディテールは普通の映画ではなかなか描けない。監督が伝えたかったエピソードが余りに多く、密度が高過ぎるのでバタバタした感はあるが、かなり実態を掘りさげた濃厚な内容なのだ。
役者陣では、安定した津川正彦と大地康雄のコンビに加え、大蔵省(現財務省)からの出向者で東大キャリア益岡徹の奮闘が新鮮。小松方正や上田耕一、不破万作の名悪役振りや、柴田美保子や洞口依子の体を張った演技、岡本伸人の惚けた信者らが泥臭い本作を支えている。
「マルサの女」同様、此方も妖艶な場面が多くて女性や学生には正直お勧めしにくいが、宗教法人の信者になる前に、また自社がブラック案件を手掛ける前に、組織の運営実態をちゃんと見極めるべき社会人の見識を問われている現実を学べる秀作。
95年のオウム心理教による地下鉄サリン事件の3年後に公開された伊丹十三氏渾身の邦画史に残る問題作は、風化させるには余りに惜しい。迫力満点のBlu-rayにて是非一度ご賞味あれ。
文句なしに、80年代を代表する日本映画の傑作でしょ。伊丹さんは、本当にキャスティングが巧い。役者をよく知っているし、役柄与えて、その役に役者を惹きつけさせる術をよく知っているよね。本多俊一の音楽も素晴らしく効果的だけど、撮り方ひとつひとつを楽しんで作っているのが、メイキングなど見なくても、作品からよく伝わってきます。さすがだなと思う。
いつ観てもおもしろいですよ、宮本信子さんもチャーミングです
宗教法人が舞台なのですが宗教法人のリアル差が少し足らないような気がします。個人的には前作の「マルサの女」の方が好きです。山崎努さんの演技がとても素晴らしい、また舞台背景が身近な題材でいいです。
かなり以前から観賞したくて探していた作品です、とても良心的な価格で満足しています。
空前の大ヒット映画マルサの女の続編。 本作品では、宗教法人を隠れ蓑とし巨額の脱税を企てようとする鬼沢(三國連太郎)に対して宗教活動以外の収益には税金がかかると、やり手の国税局査察部板倉亮子(宮本信子)が戦いを挑む。 前作同様、命をかけて悪事を暴こうと必死の覚悟の板倉、また前作の権藤(山崎努)以上に、やり手の鬼沢とのバトルは凄まじい。鬼沢はどんな手段を使っても、お金を守ろうとする、狂気がかった人物だ。 個人的には、最後の結末が決着つかずになっている点が気になりましたが、前作同様スリリングな作品だと感じました。
とんでもなくアダルト(いい意味で)でエロチックでクレバーな作品で、日本の病理を観る感じ。公益法人の収益事業には課税できるとする法人税法の規定を盾に腐敗集団に戦いを挑む内容のこの凄まじさ。死人もでます。今、深夜放送でやってちょうどいい感じ。だから余りに早過ぎた作品!大人の楽しみ!
星5つ
伊丹監督は役者の使い方がほんとにいい。
どの映画にしても内容が現実的、庶民的なので
感情移入できるし、主演が信子さんが多いから
キャラに一貫性があり安心できるような。
この映画は三國さんがバッチリ合ってました。
三國さんの悪役の存在感は誰にも負けないでしょう。
こういう悪役があるから、いざスーさんとかやった時に
面白いし、役の人間の表も裏も見えてきて、嘘っぽい
キャラに見えない。
津川さんも前作に引き続き本当に良い。この人も
悪役のイメージ、いやらしい悪役、ですが、このキャラは
国税としてのいやらしさと庶民派で情けもある役でしたが
津川さんそのものみたいな。
他にも本当にいいキャスティングでした。